バグキャスト
『バグキャスト』は、音楽家・鈴木とシステムエンジニア・伊藤が、音楽、プログラミング、映画、本、カルチャーなどについて話すポッドキャストです。雑談を入口にしながら、ときにはリサーチや批評も交えつつ、一見ばらばらに見える話題のあいだにつながりを見つけていく。かつての総合誌のように、さまざまなテーマがゆるやかに交差する番組を目指しています。毎週水曜朝7時更新。番組へのお便り・ご感想はこちらからお送りください。 https://tally.so/r/obKDNV
【映画回】ノーラン『オデュッセイア』──盛り上げ続ける編集が奪うもの
今回は、クリストファー・ノーラン監督の映画『オデュッセイア』を取り上げます。
ホメロスの原作との比較から、オデュッセウスの帰郷や戦争への罪悪感が、映画でどう語り直されているのかを紹介。『インターステラー』『インセプション』『ダンケルク』にも通じる、家族への帰還、時間、夫婦の関係といったモチーフをたどります。
一方で、映画のショットやテンポを分析したジェームズ・カッティングの研究にも触れながら、場面を受け止める余白と、次々に刺激を与える編集について考えます。
後半は、サブスク時代の映画との付き合い方へ。いつでも見られるのに、ウォッチリストに入れたまま見なくなるのはなぜなのか。TSUTAYAで借りて返すループ、視聴者の注意を引き続ける仕組み、表現手段が増えても似た作品が生まれてしまうことなどを話します。
※映画『オデュッセイア』の具体的な場面や物語の展開に触れています。
【主なトピック】 00:00 オープニング――映画館から足が遠のいた理由 01:26 『オデュッセイア』の概要と原作 05:58 原作と映画の違い――帰郷、戦争、罪悪感 09:22 ノーラン作品に共通する「家族への帰還」 11:56 編集と音楽で盛り上げ続ける演出 13:33 映画のショットとテンポはどう変わってきたか 15:50 ミュージックビデオのような映画体験 18:15 大作映画の演出への違和感 20:57 短く、速く――視聴者の注意を引く仕組み 24:23 表現手段が増えても、多様性は広がらない? 25:28 サブスクとTSUTAYA――いつでも見られると、見なくなる 30:29 映画に求める余白と、光を「浴びる」感覚 31:30 「雑なドパ」と、腑に落ちたときの快感 34:13 作品が「経験」になるための時間 38:03 変わったのは作品か、自分か 39:36 「昔の方がよかった」で終わらない批判 41:38 エンディング――おすすめの作品を教えてください
【関連リンク】 映画『オデュッセイア』公式サイト ノーラン監督へのCNNインタビュー文字起こし(2026年7月16日/ページ後半) James E. Cutting「The evolution of pace in popular movies」(2016)
番組へのご感想や、『オデュッセイア』を見て感じたこと、最近好きだった映画・音楽・本などのおすすめは、概要欄のフォームからお寄せください。番組のフォローもよろしくお願いします。
番組への感想・質問はこちら: https://tally.so/r/obKDNV
【バグキャストについて】
『バグキャスト』は、音楽家・鈴木とプログラマー・伊藤が、音楽、プログラミング、カルチャー、映画、最近読んだ本などについて話すポッドキャストです。
さまざまな話題がゆるやかにつながっていく、総合誌のような番組を目指しています。
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伊藤:
ネット上の「なりすまし」について考える
今回は、「なりすまし」について話します。公式窓口との混同、不審なDM、架空の公式発表など、なりすましによって起こり得るリスクを整理します。
後半は、SNSが生み出す「ドッペルゲンガー」の話へ。もし偽物の方が私たちの番組をよく知っていたら? 自分たちが本物だということは、何で証明できるのか? 誰かになりきることと匿名でいること、本人と代理人の違い、番組名に「(本物)」を付ける案まで、思いがけずアイデンティティについて考える回になりました。
【主なトピック】 00:00 オープニング――東京論の予定を急遽変更 00:53 バグキャストの偽アカウントを発見 03:05 エゴサーチで見つけたプロフィールと投稿 04:49 なりすましによって起こり得るリスク 07:38 なぜ私たちになりすますのか 09:18 ChatGPTが挙げた動機の仮説 12:07 分かったことと、まだ分からないこと 14:09 好奇心だけでは済まない、発信する側の責任 15:09 通報するか、相手に確認するか 20:57 収録中に確認のリプライを送る 23:19 今回の対応と、接触することのリスク 23:59 偽物の方が番組をよく知っていたら? 25:43 SNSが生み出すドッペルゲンガー 28:32 誰かになりたい気持ちと、匿名でいたい気持ち 33:08 自分たちが「本物」だと、何で証明できるのか 35:15 「バグキャスト(本物)」に改名する? 37:25 今回の感想――笑い話では済まない怖さ 39:07 リスナーの皆さんへのお願い・エンディング
※本エピソードは9月25日に収録しています。アカウントの状況や対応についての発言は、収録時点のものです。運営者の正体や目的は確認できておらず、動機についての話は推測です。
【リスナーの皆さんへ】 番組を装うアカウントからの不審なDMやリンクには反応しないようお願いします。相手への接触や一斉通報は呼びかけていません。DMを受け取ったなどの情報がありましたら、概要欄のフォームからお知らせください。
番組へのご感想や、なりすましに関するご経験も、概要欄のフォームからお寄せください。番組のフォローもよろしくお願いします。
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伊藤:
【お便り回】母校に帰って気づいたこと
今回は、ポッドキャスト『焚き火の前では饒舌』のTSさんから届いた、第30回「チェーン店は故郷になりうるか――ラーメンとノスタルジー」へのお便りを紹介します。
高校卒業から20年を迎え、母校で変わらない先生たちと再会したというTSさん。「故郷の匂い」が残る学校の話をきっかけに、変わらない場所に感じる懐かしさと、もう戻れない時間への寂しさについて考えます。「学校は変わっていくものだからしょうがない」と語っていた鈴木も、お便りを通じて、本当は母校の変化にショックを受けていたことに気づきました。
【主なトピック】 00:00 オープニング 00:41 TSさんからのお便り――母校に残る「故郷の匂い」 03:16 変わらない場所と、戻れない時間――二つのノスタルジー 05:33 「熱量」という言葉に託されるもの 06:34 本当は、母校が変わって寂しかった 09:36 一人でギターを練習し続けた軽音楽部時代 12:39 熱量の違いと、後輩に何かしてあげたい気持ち 16:48 自分の感情に名前をつける難しさ 18:02 今の在校生と関わった方がいいのか 20:38 自習しかできない? 教わることの苦手さ 23:47 大人の正しさを疑うことと、主体性 27:05 卒業後の再会と、過去を美談にされる違和感 29:03 「なぜ勉強しなきゃいけないんですか」――先生との問答 31:19 放っておいてくれる先生は、いい先生? 36:09 エンディング
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伊藤:
AI音楽はフェイクなのか──THE MOTEL「NO」から考える作者と作品の関係
今回は、SNSで注目を集める5人組オルタナティブバンド「THE MOTEL」と、楽曲「NO」をめぐる生成AI疑惑を取り上げます。
海外バンドのようなサウンドやボーカルが称賛される一方、演奏映像と音源の違いや短期間での楽曲発表などから、「生成AIで作られた音楽ではないか」という指摘が相次いだ今回の騒動。しかし、公開されている音源や映像だけでAI使用を断定することはできるのでしょうか。
同じ音源でも、AI疑惑を知った前後で評価が変化するのはなぜなのか。音楽の価値は完成した音だけにあるのか、それとも制作過程や演奏者の努力、物語まで含まれるのか。ライブは「本物」であることの証明になるのか。リスナーが音楽のどこに価値を置いているのかを考えます。
【主なトピック】 00:00 オープニング 03:52 生成AI疑惑を断定できるのか 05:52 疑惑に対するリスナーのさまざまな反応 07:45 AIだと知ると音楽の評価は変わるのか 09:10 ライブは「本物」の証明になるのか 10:00 AIを見抜く「耳の能力」をめぐる競争 12:04 リスナーは音楽のどこに価値を置くのか 14:23 「みのミュージック」の批評への違和感 19:23 AI使用の推定が倫理的批判に変わるとき 20:29 AI判定と楽曲そのものの評価 24:10 切り分けるべき4つの論点 30:12 AI製サムネイルで再生回数が増えた話 32:36 AIを使った音楽は「制作」と呼べるのか 35:15 口パクをめぐる議論との共通点 36:55 二人は仕事や音楽でAIをどう使っている? 39:50 文字起こしと概要欄にもAIを使っています 41:30 AIへのネガティブな感情はどこから来るのか 44:23 エンディング
※本エピソードは2026年9月25日に収録しました。配信時点では、THE MOTELをめぐる状況が変化している可能性があります。
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伊藤:
『淡島百景』から『カードキャプターさくら』へ──浅香守生の演出を語る
今回は、志村貴子原作のアニメ『淡島百景』を取り上げます。
世代を超えて少女たちの記憶が交錯する群像劇としての魅力や、多視点構成ならではの「物語を簡単に善悪へ回収しない面白さ」を紹介。さらに、第1話冒頭の桜が舞うシーンをきっかけに、浅香守生監督の演出について掘り下げます。
『カードキャプターさくら』『俺物語!!』『ちはやふる』にも通じる、「登場人物の上に何かが降ってくる」演出やフラッシュバックの使い方とは? 私たちの世代に大きな影響を与えながら、なぜ浅香監督の作家性はあまり語られてこなかったのか。作品批評の役割や、好きすぎるものを言葉にする難しさについても話しました。
【主なトピック】 00:00 オープニング 01:05 『淡島百景』の概要 05:53 群像劇と多視点構成の違い 10:49 第1話の冒頭で「ハッとした」理由 13:49 浅香守生監督に共通する演出 16:39 『カードキャプターさくら』との対照性 20:36 なぜアニメ監督の作家性は語られにくいのか 25:36 一人の作家の作品を追い続けること 30:10 誰も気づいていない価値を語るということ 35:49 今回の感想と、二人の文化圏の違い 40:20 面白いポッドキャストとの出会い方 42:49 エンディング
※作品の内容に一部触れています。
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伊藤:
チェーン店は故郷になりうるか──ラーメンとノスタルジー
母校の文化祭を訪れた鈴木が、変わっていく学校の隣で、昔とほとんど同じ体験を提供し続ける丸源ラーメンに「帰ってきた」感覚を覚えます。故郷やノスタルジーは、本当に自然や古い街並みに宿るものなのか。東京郊外で育った記憶、標準化されたチェーン店の再現可能性、変わらなさを支える資本主義について考えました。
後半は、母校の軽音楽部との交流から、情報やAIだけでは身につかない実技、教えることのパフォーマンス、人に見てもらうことの力へ広がります。
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伊藤:
ランニングをはじめて気づいたこと
健康のために始めたランニングが、いつの間にか「頭のキャッシュ」を消し、街との関わりを取り戻す時間になっていた。足の痛みやランナーズハイでの失敗談から、健康を自己責任化する「ヘルシズム」への違和感まで、走ることの功罪を話します。
さらに、車の入れない遊歩道、早朝のブランコ、100円ショップ、若者がたまれる場所をめぐり、「用事もお金もなくても居ていい場所」が街から消えていないかという東京論へ。ランニングから身体と街の余白を考える回です。
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伊藤:
【お便り回】ポッドキャストシーンについて考えてみた
音質への感想を寄せていただいたお便りからスタート。聞きやすさのための音作りを振り返りつつ、話題は「個々の番組をどう伸ばすか」ではなく、「個人ポッドキャストというシーンそのものをどう育てるか」へ広がります。YouTubeやラジオから新しいリスナーをどう呼び込み、番組同士・リスナー同士の往来や議論をどう生むのか。ベネディクト・アンダーソン、ユルゲン・ハーバーマス、ジョセフ・クラッパー、ウィル・ストローの議論を手がかりに、ポッドキャストがつくる共同体と公共性、エコーチェンバーの危うさ、異なる声が行き交う「シーン」の可能性を考えます。
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伊藤:
国はクリエイターをどう支えるのか──エンタメ・クリエイティブ産業戦略2026をみる
2026年8月に経済産業省の研究会がまとめた「エンタメ・クリエイティブ産業戦略2026」を手がかりに、国はクリエイターをどう支えられるのかを考えます。
制作資金、海外流通、権利・契約、海賊版対策をめぐる政策の狙いと、従来のクールジャパン政策への批判を整理。さらに韓国、アイルランド、ブラジルの事例を比べながら、売上やヒット数だけでは測れない、作り手の所得・労働環境・活動継続という評価軸を探ります。
後半は、政府が「面白い作品」を選ぶことの難しさ、オタク文化やグレーゾーン、自立した流通、創作を育てる「シーン」と場所の重要性まで話が広がります。
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伊藤:
マッチングアプリについて考える──コンテンツ化する出会いの場
「親ガチャ」の反対にあるのは、マッチングアプリなのではないか。
親や生まれた環境は選べない一方、マッチングアプリでは、年齢や仕事、趣味、価値観などの条件から、これから関係を築く相手を選ぶことができます。しかし、選択肢が増え、より自分に合う相手を探せるようになることは、そのまま人生の豊かさにつながるのでしょうか。
今回は、1950年代のコンピューターによる相性診断から、Match.com、Grindr、Tinderのスワイプ、Pairs、そしてAIがプロフィールやメッセージまで提案する現在まで、マッチングサービスの歴史をたどります。
選べないガチャと、選び続けるマッチングアプリ。その間に、どのような人との出会い方があり得るのかを考えます。
マッチングアプリを実際に使ったことがある方の体験や感想も、ぜひお便りで教えてください。
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参考資料
Stanford「Punch-Card Love」
Computer History Museum:初期サービス創業者の対談
Mar Hicks:コンピュータ・デーティング史
Gary Kremen:Match.com創業インタビュー
Joel Simkhai:Grindr創業インタビュー
WIRED:Tinderのスワイプ開発史
日本のオンライン婚活プラットフォーム史
Omiai創業者インタビュー
Pairs創業者・赤坂優インタビュー
人生はガチャなのか──旅パ、MOD、パッチの可能性を考える
「親ガチャ」「配属ガチャ」「上司ガチャ」──ゲームの言葉として定着した「ガチャ」は、なぜ人生や社会を説明する比喩として使われるようになったのでしょうか。
今回は、ゲームを「行為」として捉えたアレクサンダー・R・ギャロウェイの議論を手がかりに、ガチャが現実の何を捉え、なぜこれほどリアルな比喩として受け入れられているのかを考えます。
ガチャでは、偶然が格付けの結果になる。 旅パでは、偶然が関係の始まりになる。
ガチャを否定するのではなく、ゲームがすでに持っている複数の「行為の文法」によって相対化することはできないか。人生を一つのゲームシステムだけで説明しないための、別の語彙の可能性について話しました。
【今回登場する主なゲーム・概念】
・ガチャ/親ガチャ ・旅パ ・『Baldur’s Gate 3』 ・MODとパッチ ・アレクサンダー・R・ギャロウェイのゲーム論
【参考リンク】
・消費者庁「オンラインゲームの『コンプガチャ』と景品表示法」
・三省堂「今年の新語2021」
・Alexander R. Galloway, “Gamic Action, Four Moments”
・Alexander R. Galloway, “Playing the Code”
・Alexander R. Galloway, “Social Realism in Gaming”
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【雑談回】バグキャスト反省会
「音楽家とプログラマーのポッドキャスト」として始まったバグキャストも、今回で第24回。ところが気づけば、音楽やプログラミング以上に、本や映画、ゲーム、社会問題について話す番組になっています。では、いまのバグキャストを一つにつないでいるものは何なのでしょうか。
ポケモン回では、なぜ二人の話が噛み合わなかったのか。伊藤が持ち込んだAI回や、遊びとスポーツについて考えた回では、何がうまく機能していたのか。真面目なテーマになると、話し方まで硬くなってしまうのはなぜか。
さらに、リスナーを意識することと自分たちらしさを守ること、番組を長く続けるための収益化、そして二人で話す意味について考えます。
反省会と企画会議のつもりが、具体的な企画はほとんど決まらないまま、良かった回と悪かった回を行き来してテンションが上がったり下がったりする、本当の雑談回です。
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伊藤:
【お便り回】誰に向かって話すのか──ポッドキャストの音質、台本、熱量
今回は、ポッドキャスト『焚き火の前では饒舌』のTSさんから届いたお便りを紹介します。
バグキャストの参考にしている点として挙げられたのは、二人の距離感、台本とアドリブ、音質、話題の多様性、そして熱量。せっかくなので、普段どのように収録し、音声を編集し、台本を準備しているのかを振り返りました。
良い音とは、声を低く格好よく仕上げることなのか。文章として読みやすい構成は、そのまま話すための構成になるのか。社会や文化についての話を、情報の整理だけで終わらせず、熱量のある会話にするにはどうすればよいのか。
お便りをきっかけに、バグキャストの強みと、まだうまくできていないことについて話しています。後半では、自分の人生を語ることの難しさや、始めたばかりのポッドキャスト同士のつながりについても考えました。
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伊藤:
なぜ人は盆踊りでつながれるのか──『盆踊りの戦後史』から考える
大石始『盆踊りの戦後史』を手がかりに、盆踊りと共同体について考えます。盆踊りは、古くからある共同体が受け継いできたもの——そう思いがちです。しかし戦後の団地やニュータウンでは、共同体がなかったからこそ盆踊りが始められました。同著では祭りを繰り返すことで、見知らぬ者同士のあいだに共有の記憶が生まれ、その土地が新しい「ふるさと」になっていく過程が描かれています。
では、外国にルーツを持つ住民が増えた現在、これまでの盆踊りに加わってもらうだけで「私たちの祭り」になるのでしょうか。アニメソングやディスコまで取り込んできた盆踊りなら、異なる文化を持つ人たちと新しい祭りを作れるのではないか。
後半では、フジロックでのMassive Attackのパフォーマンスをきっかけに、音楽は人を結ぶのか、それとも仲間と敵を分けるのかという問題へ話が広がります。
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伊藤:
SNS空間は人の死をどう表象するのか
亡くなった高校時代の友人が、Instagramの「知り合いかもしれない人」に表示された——。今回はこの体験をきっかけに、SNSは人の死をどのように扱い、死者をどのように表象しているのかを考えます。
FacebookやInstagramの追悼アカウント、Googleのアカウント無効化管理ツール、X・Discord・LINEなどの死後対応を比較。さらに、亡くなった子どもの写真をFacebookが祝福的な「一年の振り返り」に表示した事例や、SNSアカウントの相続をめぐる裁判も取り上げます。
デジタル上の記録は、写真や手紙のように保存されるだけではありません。検索や推薦のデータとして働き、死者を思いがけないタイミングで生者の前へ連れ戻します。死者を「残すか、消すか」ではなく、いつ、どこで、どのような距離で現れるのかを選べる仕組みはつくれるのでしょうか。
死者との関係を新しく発明したのではなく、昔からある追悼や記憶の営みを情報システムの中へ組み込んだSNS。そこで死者がいつ、どんな文脈で現れるのかを、いったい誰が決めるのでしょうか。
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鈴木:
伊藤:
【お便り回】あの頃のライブハウスとオタク文化について
「お二人が青春時代にハマったことを教えてください」。リスナーさんからのお便りをきっかけに、それぞれの青春を振り返ります。
映画を観ることが義務のようになっていた鈴木と、ネット掲示板や未来の自分に宛てた音声日記、聖書や宇宙の探究に夢中だった伊藤。話はやがて、バンドとDTM、『ぼっち・ざ・ろっく!』が描く成長、ライブハウスのチケットノルマ、かつてのオタク文化と現在の「推し文化」の違いへと広がっていきます。
青春とは、苦い記憶も含めて、後から「あれが青春だった」と気づくものなのかもしれません。いま続けているこのポッドキャストも、いつか青春として振り返る日が来るのでしょうか。
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【出演】
鈴木:
伊藤:
物理メディアの長い黄昏──デジタル化が組み替える自由と管理
紙の本、CD、ゲームディスク。気づけば私たちは、作品を物として買うことが少なくなりました。かつて友人から借りた『メタルギアソリッド2』の記憶を入口に、物理メディアが失われることで、貸し借りや譲渡、保存のあり方がどう変わるのかを考えます。
ソニーをめぐる一連の発表を手がかりに、「デジタル商品を購入する」とは何を買うことなのか、中古市場がなくなると価格はどう変わるのか、オンラインゲームを後世に残すことはできるのかを整理。さらに、レコードやCDが情報を運ぶ媒体から、記憶や所有感、作り手への支援を担う「意味のメディア」へ変化している可能性を話します。
後半では、倍速視聴、クラウド保存、HDD、クラウドPC、バグキャスト独自のサーバー構想へ。デジタル化は企業による管理を強める一方、利用者にも新しい自由を与えてきました。便利さを求めた私たち自身が、プラットフォームの管理を強くしてきた面もあるのではないか。物理メディアの長い黄昏のなかで、自由と管理がどのように組み替えられているのかを考えます。
【バグキャストについて】
『バグキャスト』は、音楽家・鈴木とプログラマー・伊藤が、音楽、プログラミング、カルチャー、映画、最近読んだ本などについて話すポッドキャストです。
さまざまな話題がゆるやかにつながっていく、総合誌のような番組を目指しています。
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【出演】
鈴木:
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【お便り回】読書会から考える、批評との距離
今回はお便り回です。
番組を聴き始めたきっかけや、過去回を順番に聴いてくださっていることなど、リスナーさんからいただいたお便りをご紹介します。
以前話題に出た鷹匠の話から、西東京市で見られる猛禽類や都市の野生動物へ。さらに、ポッドキャストを始める人たちのつながりや、番組を続けることの難しさについて話しました。
後半では、読書会についての話題をきっかけに、他人の読みを尊重することと、作品を批評することの関係を考えます。作品の可能性を語ることは、どこまで批判になりうるのか。そして、専門番組でも純粋な雑談でもないバグキャストは、どのような番組なのか。
お便りから話が広がり、批評と対話、ポッドキャストの共同体、バグキャストの立ち位置について考えた回です。
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YouTube企画案『天竺までお経をとりにいってみた』
今回は、史実の玄奘三蔵の天竺への旅をたどりながら、鈴木が持ち込んだYouTube企画案「天竺までお経をとりにいってみた」について話しました。
『西遊記』では孫悟空たちと旅をする三蔵法師ですが、史実の玄奘は、仏教の原典と正しい教えを求めてインドへ向かった唐の学僧でした。中国に伝わっていた仏典や解釈への疑問から、サンスクリットの原典を直接学ぶため、長安を出発し、西域、中央アジア、ガンダーラ、北インドを経てナーランダーへ向かいます。
では、その旅を現代のYouTube企画としてやったらどうなるのか。
鈴木の「天竺までお経を取りに行く」企画に対して、伊藤はどんな答えを出すのか。軽い思いつきから始まったはずが、調べるほどに玄奘の旅のすごさがわかる回です。
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俺たちが本当にやりたいポケモンはこれだ!!
今回は、ポケモンIP30年の歴史を振り返りながら、これからの本編シリーズに期待するものについて話しました。
ポケモンは『赤・緑』から始まり、収集、育成、交換、対戦を組み合わせたゲームとして出発しました。その後、アニメ、カード、映画、グッズ、スマホアプリへと広がり、いまや巨大なIPになっています。
一方で、近年の本編作品は、技術的な完成度や方向性をめぐって評価が揺らいでいます。問題は単なる処理落ちやバグだけではなく、本編が冒険、収集、育成、対戦、物語、子ども向けの入門、古参ファンへの応答まで背負いすぎていることではないか。
ポケモンの魅力である、探す、知る、育てる、組み合わせる、戦うという要素を、もう一度ひとつの体験として結び直すにはどうすればいいのかを話しました。
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【出演】
鈴木: 伊藤:
【お便り回】好きでも得意でもないけど、自分にしかできないこと
今回は、届いたお便りをきっかけに、「才能」について話しました。
かつて作曲やゲームプログラミングに取り組んでいたものの、趣味の域を超えられなかった。才能のある人に才能でぶっ叩かれ、その成功を背中から見届けてきた。そんな経験をした人が、人生の中で「自分には向いていないこと」を求められたとき、どう向き合えばいいのか。
一方で、「才能にぶっ叩かれること」は単なる敗北なのか。圧倒的なものに出会って傷つくことは、同時に「本当にすごいものを見た」という経験でもあるのではないか。
才能、仕事、好きなこと、代替不可能性。
「才能がない」と思ったあと、人は何を手放し、何を引き受けていくのか。 お便りを入り口に、鈴木と伊藤がそれぞれの経験から考えました。
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クマ問題から考える、「自然との共生」は誰が担うのか──SDGs・里山・内山節
今回は、全国で深刻化しているクマの出没・人身被害を入口に、「自然との共生」とは誰が担うものなのかを話しました。
【今回話したこと】
全国で深刻化するクマ問題「自然保護か駆除か」では捉えきれない問題SDGs的な自然観の有効性と限界内山節『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』の話自然との共生とは、自然と一体化することではなく、自然との距離を測り、境界を維持し、その責任を共同で引き受けることなのではないか。
そんな感じの話をしています。
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【出演】
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【お便り回】音楽制作で大切にしている3つのこと──編曲 / 物語 / 現実
今回は、リスナーの方からいただいた「制作時にこだわっているポイントはありますか?」というお便りをきっかけに、鈴木が音楽制作で大切にしていることについて話しました。
少ない音数でアンサンブル全体をどう鳴らすかという編曲の話、音楽を単なるBGMではなくひとつの体験として届けるための物語の話、そしてジャンルのコピーではなく、自分たちが生きている現実や歴史から音楽を作ることについて考えています。
クインシー・ジョーンズと『Off the Wall』、竹林の七賢、Howie Leeなどを手がかりに、鈴木にとって音楽を作るとはどういうことなのかをめぐる回です。
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【出演】
鈴木: 伊藤:
【お便り回】コードを書くときに大切にしていること──プラットフォームから自立するには
今回は、お便りでいただいた質問に答える形で、伊藤がプログラミングを書くときに大切にしていることについて話しました。
テーマは、コードの「可読性」と「美しさ」。あとから読んでも分かること、短く汎用的に書けること、その両方をどう考えるのか。そこから話は、個人でホームページやサーバーを持つこと、プラットフォームに頼らず自分たちの場所を作ることへと広がっていきます。
便利なサービスを使うことと、自分の手で仕組みを理解すること。そのあいだで、作る人はどこまで自立できるのか。
プログラミング、音楽、料理、AIの話を行き来しながら、「手触りのある自立」について考えた回です。
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【出演】 鈴木: 伊藤:
W杯はなぜ「ただの遊び」ではいられないのか ──スポーツと遊びの危うさについて
2026年のワールドカップを前に、今回はW杯とスポーツについて話しました。サッカーはボールひとつで始められる身近な遊びです。けれどワールドカップのような大きな大会になると、放映権、スポンサー、政治、ビジネス、人権問題など、いろいろなものが関わってきます。
スポーツは本当に「ただの遊び」なのか。
W杯を楽しみにしながら、サッカー、スポーツビジネス、そして遊びが持っている不思議な力について考えました。
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【出演】 鈴木: 伊藤:
AIがすべてを言語化したあとに、僕たちに残る仕事について
AIが情報を整理してくれる時代に、なぜ人間の声を聞くのか。今回は、生成AIと創作について話すつもりが、気づけば「ポッドキャストとは何のためのメディアなのか」という話になりました。
AIで作られた表現に対する違和感。不気味の谷を越えた先にあるリアリティ。プログラミングや音楽制作におけるAIの使いどころ。そして、情報整理や言語化では置き換えられない「情念」の問題。
AIは、要約も整理も説明もしてくれる。そのとき、人間の声には何が残るのか。
うまくまとまらない感情や、誰かに向けられた怒り、言葉にしきれない執着を、そのまま声として置いておくこと。ポッドキャストは、そのための場所にもなりうるのではないか。
AI時代の創作、人間に残る仕事、そして「情念の置き場」としてのポッドキャストについて考えます。
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推しを失って大人になるって本当?──宇佐見 りん『推し、燃ゆ』における成熟をめぐって
今回は、宇佐見りん『推し、燃ゆ』を読みながら、「推し活小説」として語られてきたこの作品が、どのような成熟の物語なのかについて話しました。作中で繰り返される「重さ」という表象、作中劇のピーターパンの「大人になんかなりたくない」というセリフ、祖母・母・姉・父をめぐる家族の呪縛、そしてラストの綿棒の場面を手がかりに、この作品を読み解いています。一方で、この小説は本当に現代の推し活を描いているのか、という疑問についても話しました。
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22年応援してきたサッカークラブについて、今思うこと
長年応援してきたサッカークラブ、アーセナルについて、鈴木が今思うことを話します。スポーツのグローバル産業化、そして推し文化との接点を手がかりに、ひとつのクラブを応援し続けることの意味を考えます。
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僕たちはなぜ生牡蠣を食べるのか?──リスクを越えて行動してしまう瞬間を考える
子供の頃からお化けに呪われるリスクを鑑みて肝試しには行かなかった伊藤がそれでも生牡蠣を食べてしまうのはなぜなのか。ひとがリスクを越えて行動する瞬間に想いを馳せる雑談です。
お便りはこちらhttps://tally.so/r/obKDNV
もしもバグキャストにゲストを呼ぶなら?(雑談)
今回は「バグキャストにゲストを呼ぶなら誰がいい?」という会議をお届けします。広末からゴリラまで、幅広い可能性を視野に、検討しました。つい長くなってしまう番組尺を短くまとめようという強い意志を感じさせる35分の雑談です。
飲み会は今どう変わったのか──『「酔っぱらい」たちの日本近代 酒とアルコールの社会史』を読む
あの頃の輝かしかった飲み会について想いを馳せる鈴木が昨今の飲み会事情について調べてみたのと『「酔っぱらい」たちの日本近代 酒とアルコールの社会史 』(角川新書)がとても面白かった話。後半は飲み会幹事マンだった伊藤がなぜ飲み会を開かなくなったのかを聞く。
番組への感想・質問・話してほしいテーマを募集しています。 お便りはこちらからお送りください。 https://tally.so/r/obKDNV
技術とノスタルジーを考える──マクルーハン、DTM、魯迅『故郷』
技術が人間の感覚や時間意識をどう変え、そのことが進歩主義や懐古主義をどう生むのかを、マクルーハンのメディア論、DTMによる音楽制作の変化、そして魯迅『故郷』の「道」の比喩を手がかりに考えます。現代の技術環境を見つめながら、未来への楽観と過去への郷愁を支えるリニアな時間意識を問い直し、そこから外れる希望のかたちを探ります。
お便りはこちらhttps://tally.so/r/obKDNV
次回話すテーマを決めよう
「フリーターでもガッツがあれば大丈夫!!」とのたまう鈴木は巻き込まれ型人間の伊藤に宿る主体性を看破。ノスタルジーvs未来志向をめぐって雑談が続く。
無事継続!!そして番組名が「バグキャスト」に決定
前回、番組を続けるかどうかという選択を迫られた伊藤の決断により、「一旦」番組継続。そして番組名は「バグキャスト」に決定。番組内容について考えている最中、「おれっていつ輝いている?」という鈴木の圧倒的なダル絡みに伊藤が出した答えとは…。社会のバグたる二人の雑談は続く。
鈴木の家に呼び出された伊藤がポッドキャスト収録に巻き込まれます。
急に呼び出されて鈴木のポッドキャスト収録に巻き込まれた伊藤はポッドキャストを「続ける」のか。その選択と伊藤の類稀な適応力に目を見張る回。ほぼ雑談です。