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By: 株式会社sorae

「sorae(そらえ)」は宇宙に関する最新情報や最先端の技術情報のニュースを配信しています。「sorae」という名前には、「宇宙へ行きたい」「宇宙を知りたい」「空を飛びたい」、「夜空の星を眺めたい」など、読者の「そら」に対する憧れや希望、知的好奇心に応えたいという想いが込められています。

【速報】JAXA月探査機「SLIM」2回目の越夜に成功したことを確認
Yesterday at 2:50 AM

「【速報】JAXA月探査機「SLIM」2回目の越夜に成功したことを確認」 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年3月28日10時半頃、X(旧Twitter)の小型月着陸実証機「SLIM」プロジェクト公式アカウントにて、SLIMが通信に応答したことから2回目の越夜に成功したことが確認されたと発表しました。【最終更新:2024年3月28日11時台】SLIMは日本時間2024年1月20日0時20分頃に日本の探査機として初めて月面へ軟着陸することに成功したものの、2基搭載されているメインエンジンのうち1基で着陸直前に生じたトラブルによって接地時の水平方向の速度や姿勢が想定外となり、逆立ちして太陽電池を西に向けたような姿勢で安定。バッテリーに充電できないことからSLIMの電源は一時オフにされたものの、太陽光が西から当たって太陽電池から電力を得られるようになった2024年1月28日以降は「マルチバンド分光カメラ(MBC)」による岩の観測が行われていました。着陸地点が夜を迎えることから日本時間2024年1月31日から休眠状態に入っていたSLIMは、太陽電池に再び太陽光が当たるようになった日本時間2024年2月25日にコマンドを送信したところ応答があり、通信機能を維持して1回目の越夜に成功したことを確認。日本時間2024年3月1日3時すぎに着陸地点が日没を迎えたため、SLIMは再び休眠状態に入っていました。


QPS研究所、小型SAR衛星をスペースXのライドシェアミッションで打ち上げへ
Last Tuesday at 11:36 PM

「QPS研究所、小型SAR衛星をスペースXのライドシェアミッションで打ち上げへ」 日本の民間宇宙企業QPS研究所は2024年3月12日付で、同社の小型SAR衛星「QPS-SAR7号機」、愛称「ツクヨミ-II(ツクヨミ・ツー)」の打ち上げ契約をスペースXと締結したと発表しました。QPS-SAR7号機はスペースXのライドシェアミッション「Bandwagon-1」で2024年4月以降に打ち上げられる予定です。QPS研究所は合成開口レーダー(SAR)を搭載したSAR衛星による衛星コンステレーションの運用を目指している日本の民間企業です。同社によれば、全36機からなる衛星コンステレーションを構築することで、地球上の任意の地点を平均10分間隔という「ほぼリアルタイム」で観測することが可能とされています。同社はこれまでに4機のSAR衛星の軌道投入に成功しており、QPS-SAR7号機は5機目です。QPS-SAR7号機を打ち上げる「Bandwagon」はスペースXが新たに開始するライドシェアミッションで、同社のライドシェア販売部長を務めるJarrod McLachlan氏が2023年8月9日に米国で開催された第37回小型衛星カンファレンスの席上で発表しました。Bandwagonは軌道傾斜角45度・高度550~605kmの中傾斜軌道への小型衛星投入を目的としています。同社は2021年からライドシェアミッション「Transporter」を実施していますが、Transporterは太陽同期軌道(SSO)への小型衛星投入を目的としており、BandwagonとTransporterは衛星を投入する軌道がそれぞれ異なるミッションとなります。


【速報】若田光一宇宙飛行士が宇宙航空研究開発機構(JAXA)を退職へ
Last Tuesday at 8:30 AM

「【速報】若田光一宇宙飛行士が宇宙航空研究開発機構(JAXA)を退職へ」 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年3月26日、若田光一宇宙飛行士が2024年3月31日をもってJAXAを退職することを明らかにしました。【最終更新:2024年3月26日17時台】1963年生まれの若田飛行士は1992年にJAXAの宇宙飛行士候補者として選抜。1996年にアメリカ航空宇宙局(NASA)の「STS-72」ミッションで日本人初のミッションスペシャリストとしてスペースシャトルに搭乗し、2000年には「STS-92」ミッションで国際宇宙ステーション(ISS)の建設に参加。2009年には日本人初となる1度目のISS長期滞在を実施し、2013年11月~2014年5月に行った2度目のISS長期滞在の後半には日本人初のISS船長(コマンダー)を務めました。また、2022年10月~2023年3月にはスペースXのクルードラゴン宇宙船による「Crew-5」ミッションで3度目のISS長期滞在を実施し、NASAの宇宙飛行士とともに自身初を含む合計2回の船外活動でISSに増設する太陽電池アレイの架台取付作業などを行いました。JAXAによると、Crew-5ミッションを終えた時点での若田飛行士の通算宇宙滞在時間は504日18時間35分、通算ISS滞在時間は482日15時間57分で、どちらも日本人宇宙飛行士としての最長記録となっています。


ウェッブ宇宙望遠鏡が原始星周辺の氷の粒から複雑な有機化合物を発見
Last Monday at 2:35 AM

「ウェッブ宇宙望遠鏡が原始星周辺の氷の粒から複雑な有機化合物を発見」 私たち生命の起源を宇宙の視点から解明することは、宇宙生物学の目的のひとつかもしれません。ビッグバン以降、水素やヘリウムといった軽元素が生成され、核融合や超新星爆発などの天体現象を通じてさまざまな原子や分子が誕生していきました。これらの過程で生じた炭素を含む有機化合物は、生命の基本的な構成要素となります。そのため、有機化合物から生命が誕生したシナリオを宇宙の歴史の文脈で作り上げることは、地球以外の惑星に知的な生命体が存在するのかを考える上で重要なヒントとなりえます。関連記事・生命が誕生しえない宇宙は存在するか? マルチバースがハビタブルな条件を明らかにする(2023年3月29日)オランダ・ライデン大学のW. R. M. Rocha氏らの研究グループは、「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡を使い、原始星「IRAS 2A」と「IRAS 23385」の周辺から、エタノールや酢酸といった複雑な有機化合物を含む氷の粒を発見したという論文を発表しました。


宇宙飛行士は火星上では安全に居られない!? 英大学研究グループが課題の解決方法を提案
03/19/2024

「宇宙飛行士は火星上では安全に居られない!? 英大学研究グループが課題の解決方法を提案」 アメリカ航空宇宙局(NASA)の副長官(当時)であったJames Reuter氏は、2023年5月にワシントンで開催された「Humans to Mars Summit」の席上、2040年までに火星への有人飛行を実現することがNASAにとって重要な目標であると発言しました。言葉通りならあと16年以内に実現されることになる有人火星探査ですが、火星行きの有人宇宙船の開発、長期間のミッションで宇宙飛行士が直面する心理的・生理的・物理的影響の克服など、多くの難題が予想される中、人類が目的地である火星で安全に居られるためにも解決すべき課題が残されているようです。【▲ 2023年に開催されたHuumans to Mars Summitの様子】(Credit: Space.com)


ロケットラボ、Synspectiveの小型SAR衛星を打ち上げ SAR衛星コンステレーションの構築進む
03/16/2024

「ロケットラボ、Synspectiveの小型SAR衛星を打ち上げ SAR衛星コンステレーションの構築進む」 ロケットラボは日本時間2024年3月13日、 日本の民間企業Synspective(シンスペクティブ)が開発した小型SAR衛星「StriX-3(ストリクス・スリー)」を搭載した「エレクトロン」ロケットの打ち上げミッション「Owl Night Long」に成功しました。StriX-3を搭載したエレクトロンは日本時間2024年3月13日0時3分(ニュージーランド夏時間2024年3月13日4時3分)、ニュージーランドのマヒア半島にあるロケットラボの発射場から打ち上げられました。衛星は高度561kmの太陽同期軌道へ投入されました。シンスペクティブは軌道投入後の衛星との通信が正常に機能し、アンテナの展開も確認されたと発表しています。シンスペクティブは内閣府の革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」の研究成果を社会実装することを目的として2018年に設立された日本の民間宇宙企業で、合成開口レーダー(SAR)を搭載する衛星のコンステレーションを構築・運用し、そのデータ販売や解析を行っています。シンスペクティブによると、同社の小型SAR衛星は従来のSAR衛星の約10分の1である重量約100キログラム級で、開発費と打ち上げ費用を合わせたコストは大型のSAR衛星と比較して約20分の1を実現しています。


スペースX、新型ロケット「スターシップ」第3回飛行試験実施 宇宙船は大気圏再突入の段階まで飛行
03/15/2024

「スペースX、新型ロケット「スターシップ」第3回飛行試験実施 宇宙船は大気圏再突入の段階まで飛行」 アメリカの民間宇宙企業スペースXは日本時間2024年3月14日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による第3回飛行試験を実施しました。今回の飛行試験でStarship宇宙船は上昇飛行を完了して地球低軌道の高度に到達し、初めて大気圏へ再突入する段階まで飛行することに成功しています。【最終更新:2024年3月15日13時台】スターシップは1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長121mの再利用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。スペースXによれば、両段を再利用する構成では100~150トンのペイロード(搭載物)を打ち上げることが可能であり、2段目のStarship宇宙船は単体でも地球上の2地点間を1時間以内に結ぶ準軌道飛行(サブオービタル飛行)が可能だとされています。Starshipは米国テキサス州ボカチカにあるスペースXの施設「Starbase(スターベース)」を拠点に開発が進められています。同社は2019年8月から2021年5月にかけてStarship宇宙船の大気圏内飛行試験をStarbaseで数回実施して帰還時の降下姿勢や着陸姿勢を実証した後、2023年4月20日と同年11月18日にはSuper Heavyも含めたStarship打ち上げシステムの統合飛行試験を行いました。


【速報】スペースX、新型ロケット「スターシップ」第3回飛行試験を実施
03/14/2024

「【速報】スペースX、新型ロケット「スターシップ」第3回飛行試験を実施」 アメリカの民間宇宙企業スペースXは日本時間2024年3月14日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による第3回飛行試験を実施しました。Starship宇宙船は宇宙空間を飛行中に各種テストを実施し、その後に大気圏へ再突入して飛行を終えています。【最終更新:2024年3月14日23時台】スターシップは1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長121mの再利用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。今回の飛行試験は2023年4月20日の第1回と同年11月18日の第2回に続く3回目の無人飛行試験で、計画ではStarship宇宙船は最終的にインド洋へ発射約1時間5分後に着水することになっていました。関連記事・スペースX、スターシップの無人飛行試験実施 高度39kmに到達も4分後に飛行中断(2023年4月21日)・スペースX、新型ロケット「スターシップ」第2回飛行試験実施 宇宙船は宇宙空間到達後に喪失か(2023年11月20日)・スペースX、スターシップの第3回飛行試験を日本時間3月14日夜に実施へ(2024年3月7日)


NASAの商用火星探査ミッション再開に是非を問う声
03/13/2024

「NASAの商用火星探査ミッション再開に是非を問う声」 人類は火星への有人飛行という夢を追い求め続ける中、その是非を問いただすべき時かもしれません。オーストラリア・カーティン大学のSteven Tingay教授(電波天文学)は、同国のメディアサイトThe Conversationに、「アメリカ航空宇宙局(NASA)は商用火星探査ミッションを追求しているが、人類は今なお火星に赴くことを望むのか?」という題名の論考を寄稿しました。ソビエト連邦(現ロシア)が1960年に「マルス1960A」ミッションで火星へのフライバイを試みて以降、人類は50もの火星ミッションを開始しました。NASAが1965年7月に「マリナー」4号で火星へのフライバイに成功したミッションを含め、31のミッションに成功しています。こうした火星探査ミッションは主に、大気、軌道、地質などに関する情報を地球に送り返すことを目的としており、「マリナー」9号による液体が地表を侵食した痕跡の発見(1971年)、探査車「オポチュニティ」による幅が3cmほどの球体状の形成物「ブルーベリー」の発見(2004年)、その形成物がかつて火星に存在した水によって生み出された可能性など、人々の関心を引く発見をもたらしました。


JAXA古川飛行士ら4名が地球に帰還 NASA有人宇宙飛行ミッション「Crew-7」
03/13/2024

「JAXA古川飛行士ら4名が地球に帰還 NASA有人宇宙飛行ミッション「Crew-7」」 日本時間2024年3月12日、アメリカ航空宇宙局(NASA)の有人宇宙飛行ミッション「Crew-7(クルー7)」のクルーを乗せたクルードラゴン宇宙船「Endurance(エンデュランス)」が米国フロリダ州沖合のメキシコ湾へ着水しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の古川聡宇宙飛行士ら4名は199日間にわたるミッションを終えて無事帰還を果たしました。【最終更新:2024年3月13日12時台】Crew-7のクルーはNASAのJasmin Moghbeli(ジャスミン・モグベリ)宇宙飛行士、欧州宇宙機関(ESA)のAndreas Mogensen(アンドレアス・モーゲンセン)宇宙飛行士、ロスコスモス(Roscosmos)のKonstantin Borisov(コンスタンチン・ボリソフ)宇宙飛行士、そして古川宇宙飛行士の4名です。古川飛行士らが搭乗したクルードラゴン宇宙船は日本時間2023年8月26日に米国フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、翌8月27日にISSとのドッキングに成功し、クルーは約6か月間の長期滞在をスタートさせました。JAXAによると、古川飛行士はISS滞在中に微小重力環境を利用したヒトの立体臓器の創出を目指す技術開発に関連した実験をはじめ、様々な実験や人材育成活動などを行いました。